おんぷトランプの使い方

登場人物

てんしょう君
小学3年生の男子。みおんちゃんが好き。ゆうま君は親友。仮面ライダーエグゼイトにあこがれている。
みか先生
30代の音楽家。AMANEミュージックスタジオという音楽教室の主宰。おんぷトランプのゲームマスター。

はじまり

みか先生
こんにちは。てんしょう君。これからてんしょう君におんぷトランプを教えるみかです。みか先生って呼んでね。
てんしょう君
みか先生よろしくお願いします。
みか先生
じゃあさっそくだけど、この音は何の音かわかるかな?

てんしょう君
うーーん。みか先生ぜんぜんわかんないよ。
みか先生
今は、そうよね。でもこのおんぷトランプを使ってすぐに読めるようになるからがんばろうね。

てんしょう君
先生、おんぷトランプって何?
みか先生
おんぷトランプは、トランプの数字や絵の代わりに、おんぷが書いてあるもののことよ。おんぷトランプを使うと、先生がいなくても家でお父さんやお母さんと一緒に遊べておんぷも読めるようになるからね。
てんしょう君
へーそんなんだ。お父さん音楽ぜんぜんわからないから教えることができないって言ってたけど大丈夫かな。
みか先生
もちろん大丈夫よ。
てんしょう君
じゃあ家でもやってもるね。

おんぷトランプを箱から取り出してみよう 音のかいだん

みか先生
それではいよいよおんぷトランプを使ってみましょう。まず箱の中からおんぷトランプを取り出してね。ト音記号が13枚×2組、ヘ音記号13枚×2組が入っているよ。
てんしょう君
先生ト音記号とヘ音記号って何?

ト音記号      ヘ音記号

みか先生
音は、音のかいだんで表現されるの。てんしょう君もドレミファソラシドってのいうのは聞いたことある?

てんしょう君
あるよ。

みか先生
ドレミファソラシドをト音記号で書くとこんな感じになるの。

ヘ音記号だとこんな感じ

でもト音記号だけで音の高さを表現しようと思うとこんな感じになるわ

 

てんしょう君
すごい見にくくなっているよ
みか先生
そう。それぞれの記号には高さを伝える役割があるの。ピアノのまんなかのドの音を中心に上のほうに書いてあるのがト音記号、下のほうに書いてあるのがヘ音記号。ピアノのけんばんでいうと右手がト音記号、左手がへ音記号になるよ。
てんしょう君
うーん。なんとなく分かったよ。
みか先生
むずかしかったら、高いほうがト音、低いほうがヘ音って感じでおぼえてね。
てんしょう君
あっそれなら分かりやすいかも
みか先生
ではここまでわかるとできるゲームがあるよ。じっさいのおんぷトランプをつかってやってみてね。

GAME1 わけてみよう!

おんぷトランプをト音記号とヘ音記号で分けてみよう。
二人以上いるときは、どちらか早いか勝負してみよう。

てんしょう君
うわーたのしそう

音の高さをまなぶ

みか先生
そういえばてんしょう君、先週教えたゲーム家でもやってみた?
てんしょう君
はい。お父さんとやってみました。おとうさんもこれならできるってよろこんでました。
みか先生
ねー。簡単でしょ。じゃあいよいよ今回は、おんぷをよんでみようね。おんぷトランプを出してね。(同じカードを置いてみよう!)私からクイズを出します。共通するところを探してね。
てんしょう君
うーん。むずかしいよー。
みか先生
じゃあ、こちらはどうかな?
てんしょう君
分かったー!さいしょのクイズは「●」が全部線の上にあるよ。次のクイズのは線と線の間に「●」がはさまっているよ。
みか先生
てんしょう君はなまる~♪せいかいです。おんぷはね、大きく2つあるの。線の上にあるものと線の間にはさまっているものあります。先生は、「のっかってる君」「はさまっている君」とよんでいるよ。
てんしょう君
「のっかってる君」「はさまっている君」だね。
みか先生
そう。この二人が交互に出てきて音の高さをあらわす音の階段(音階:おんかい)ができるのよ。

二人の位置が上のほうが高い音になるんだよ!じゃあここまでわかるとできるゲームが一つふえるよ。

GAME2 高い音が勝ち!

ト音記号だけ、もしくはヘ音記号だけつかうよ。

26枚をよくまぜます。
半分の13枚づつわけます。
せーのでカードを1枚お互い出します。
高い音を出したほうがかちです。
かちの人はカードをもっていきます。
13回やってさいごにもっているカードが多いほうがかちです。

音をよむ

みか先生
じゃあおんぷトランプに入っているこのカードを見てみよう。

音はドレミファソラシドの順で高くなっていくよ。ト音記号の一番下の音のドに注目してみよう。この音は「おへそのド」とも言われているよ。家にピアノのけんばんがあったら、おへその位置とト音記号のドの位置を合わせると真ん中にすわることができるよ。ちなみにピアノのけんばんはほとんどが88鍵あるよ。もっと多いピアノもあるよ。

てんしょう君
いっぱいあるんだねー。
みか先生
さあそれでは読んでいこう。(ト音記号のカードを順番に並べてみましょう)
ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ド  じゃあこれは?(高いミを指して)

 

てんしょう君
うーん。上のほうの音はすぐ読めないよ。
みか先生
そうね。だからおんぷトランプでは、高いドのところに色のしるしがついているの。高い音はそこからドレミって読むととっても早く読めるようになるよ。じゃあこれは何の音かな?

てんしょう君
ほんとだ!すごい!早く読める!
みか先生
じゃあどれくらい早くよめるかゲームしてみよう!

GAME3 早く読めるかな?

おんぷカードをめくって音を読んでみよう。26枚の時間をストップウォッチではかってみよう。めざせ60秒!

てんしょう君
なんかすらすら読めるようになってきたよ。
みか先生
うまくなったら、おんぷ→音→けんばんじゃなくて、おんぷからけんばんがイメージできるようれんしゅうしてみよう。それじゃあおんぷトランプを使っていろんなゲームをやってみよう!

ゲームの紹介(8/18 更新)

みか先生
ゲームのルールは一例です。自分たちが楽しめるように自由に変化をさせてくださいね。

初心者・幼児
上がる下がるの概念がまだ身についていない小さなお子様は音を読めるようになるまでには時間がかかります。
そんな子供達でも記号(ヘ音記号・ト音記号)を使って遊べます。

記号分けゲーム!
単純にト音記号、ヘ音記号のカードを分けていくゲームですが、速さを競い合うことで瞬発力や集中力が身につきます。

記号早とりゲーム!
20秒でどれだけゲットできるかな?

記号de神経衰弱 ト音記号・ヘ音記号を全て混ぜて並べます。
通常の神経衰弱のように2枚めくります。2枚が違う記号どおしだったら残念ハズレ!
ト音記号どおしが出たら当たりで1ポイント獲得!そしてヘ音記号どおしの場合は5ポイント獲得! 

みか先生
ヘ音記号って何故だか皆んなから毛嫌いされやすいですよね。そこでヘ音記号を取ったらこんな嬉しいことがあるという楽しい記憶を持たせてあげることで、その記号への愛着度に差が出てきます。
ここでワンポイントアドバイス!この遊びに慣れてきたら自分の取ったカードの記号名を言うようにしていきます。記号の名前を確実に覚えられる練習になります。

どちらが高いゲーム!
ト音記号、ヘ音記号のどちらかを選んで人数分配ります。
「せーの!」の掛け声で一枚ずつ一斉にカードを出して対戦していきます。一番高い位置にある音を出した人が勝ち。
勝ったら出されたカードを全てポイントとしていただけます。最後に一番カードを多く持っている人がWinner!

 

みか先生
このゲームは楽譜を読んでいく上でも役に立つ視覚的能力を発達させます。
上、下の概念が付いてきているお子様、または覚え始めているお子様向けです

 

入門編

音読みの準備ができたお子様向け

ト音記号でドレミファソラシドを順番に並べてみよう!
(まずは正解カードを見ながら。慣れてきたら見ずにやってみましょう!対戦できる相手がいれば競争してみたり、並びを変えてしまって正しく直させるクイズをしてもいいかな。)

みか先生
音を覚えて読む上で大切なポイント!
そろばんの暗算でも玉の動きを想像しながら計算すると聞きますが、音も同じ様な感覚で、「ドはここ、レはここ、ミは・・・」という様にそれぞれの音の玉の位置を頭でイメージして動かしていけるかです。親子でできるなら子供にトランプの線(五線)に指を添えさせながら一緒に確認して行ってみてください。
また自分で五線を書いて音を下のドから順番に書いてみるのもオススメです!書くとより早く身につきます。

中級編
ト音記号の音が数えれば読めるようになってきた、ある程度スラスラ読めるようになってきた子向け

音de神経衰弱
まずはト音記号のみを使います。同じ位置の同じ音が2枚出せたらゲット!

ゲットした時に何の音を取ったのか口に出して読むことをルールに入れます。
もしも答えを間違えてしまったら、相手のポイントへ・・・子供達は自分のポイントを他に渡したくないので読むことにすごく集中します。

みか先生
カードはぐちゃぐちゃに重なり合ったように置かず、奇麗に整列配置することがうまく記憶できるコツです。数字と違って記憶するのが結構難しいんです。

聴音かるた(2人〜+弾き手)(絶対音感を身につける練習にもオススメです)
ト音記号のみを使用します。
音を聞いてその音の書いてあるカードを取る。

上級編

聴音かるた(2人〜+弾き手)
ト音記号、ヘ音記号ヘ音記号全てを混ぜて挑戦!

競技おんぷトランプ(2人+弾き手)
百人一首の競技かるたのように1対1の対戦です。13枚ずつを二人で分け自分の好きな配置で置きます。
まず、基本となるドの音を鳴らしてもらいその後、取る音を弾いてもらいます。
いち早く取ったほうが勝ち!

おんぷトランプへの思い

ドイツ留学から日本に帰国し、岐阜県関市で音楽教室をオープンしたのが10年前のことです。

当初音楽教室では、私が音楽の導入教育を日本で受けていたため、どちらかというとドイツの音楽練習というよりも、日本でありがちな楽譜と向き合うだけのレッスンになっていました。音を読むことに興味と好奇心をもってもらえない事が多く、読譜のレベルが上がっていかない現実に悩んでいました。

ドイツの音楽教室と日本の音楽教室を比較すると、一番大きな違いは、誰のために音楽を勉強するかという点です。

ドイツの場合は、本当に音楽を演奏したい人が自分のために習いに来ます。だから自発性も高く、意見も言います。そして色んな国の音楽をたしなみ、ジャンルを楽しみます。日本の場合は、親のために音楽を演奏する人が多いのではないでしょうか。このため自発性が乏しく、他人任せなところが強いように感じました。また音楽も流行曲などに偏る傾向が強く、色んなジャンルを取り入れるチャンスも少なかったりします。

私は、日本の音楽教室を「こう変えたい!」という目標を決めました。

子供たちが目をきらきらさせて自発的に「音楽を学びたい!」と思ってくれるような練習をする。子供たちは本当に楽しいことや、やりたいことをするとき目が輝き、きらきらします。その輝きを音楽で出すことを目標としました。

そのために、まずは入り口である読譜のレベルが何とかあがらないかと考え、おんぷカードというものを作ってみました。当時はカードを見せては読んでもらうというだけに使っていたためか、なかなか乗ってくれません。

そこで「おんぷカード」にゲームの要素を足して、現在の「おんぷトランプ」の原型を作りました。レッスンに導入したところ、子供たちが音楽に対して目が輝くようになったのです。

すべての子どもたちには、音楽を楽しむ権利があります。子どもたちは、音楽が大好きで歌ったりして楽しんでいます。

しかし学校の音楽の授業などで、楽譜という大きな壁が立ちはだかると、とたんに大好きな音楽も外国語のような難しくてとっつきにくいものになってしまう。

私は、音楽を修めたものとして、楽譜が読めなくていいとは思いません。楽譜を読むことはちょっとしたコツが必要なだけなのです。

音楽の民主化を行い、音楽でたくさんの笑顔を。

おんぷトランプではそんな願いが込められています。

青木みか

  • このエントリーをはてなブックマークに追加